小篇「スクール帰り」犬のショート×3 (没ネタ供養) [小噺・小ネタ]
ーオレはエル、しばらくの間、飼い主の元を離れてドッグスクールに通っていた。昔はやんちゃしてたが、今では従順なエリートドッグだ。今日、1ヶ月振りに上田家に帰ってきた。
飼い主「おかえりエル〜!会いたかったよ〜!」
犬「ワン」
ーああ、ご主人様!生まれ変わったオレの姿を見てください!
飼い主「じゃあ早速だけど、芸をやってもらおうかな」
犬「ワン」
ー任せろご主人様。今のオレはどんな芸でもできる。スーパードッグだ。訓練所帰りのオレにできない芸はない。
飼い主「おすわり」
犬「ワン」
飼い主「お手」
犬「ワン」
飼い主「チンチン」
犬「ワン」
ーどうだご主人様、こんなの朝飯前さ。こんなもんじゃないぞ、フリスビーでもボールでも、投げてくれればジャンピングキャッチぐらいやってみせるぜ!
飼い主「じゃあ、後方伸身2回宙返り3回ひねり!」
犬「ワン!」
ーいやそれシライ3!人類では白井健三しかできないやつ!しかも跳馬がなきゃムリ!って誰がわかるんだよ!男子体操界初のH難度って誰がわかるんだよ!
飼い主「えー、やってくれないの〜?じゃあ、フロントサイドダブルコーク1440(フォーティーン・フォーティー)」
犬「ワン!」
ーいやそれスノーボードハーフパイプで最も難易度が高いとされる技!日本では平野歩夢が得意としている。平野はこの技を武器に平昌(ピョンチャン)オリンピック金メダルの最有力候補とされている、って誰がわかるんだよ!
飼い主「いや犬なのにそこまで解説できるお前がすごいよ」
犬「ワン」
ーそれはオレのフルネームを見たらわかるだろ。
飼い主「え?上田家のエルだから上田エル?」
犬「ワン」
ー欧米風に読むとエル上田。エル上田はマセキ芸能社所属のお笑いコンビ「エル・カブキ」のツッコミ担当である。
飼い主「お前が行ってたスクールって、マセキタレントゼミナールだったの?って誰がわかるんだよ」
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
久しぶりにショートショートショートの没ネタ供養です。自信はあったんですけど、改めてみるとやっぱり長いのかなって思います。少し長くても読まれているネタはあるんですけど、難しいですね。
筆が進んでくると、自分でも思ってもみない方向に行ってしまうことがありまして、書き始めた時はまさか「エル・カブキ」のネタのパロディが入ってくるとは思いませんでした。そもそもエル・カブキの知名度を考えたら、この時点で採用確率は下がりますよね。
ちなみに「エル・カブキ」はマセキ芸能社所属の…って誰が分かるんだよ!
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