渋谷区の歴史を知る一日 [歴史全般]

実は博物館実習のレポート課題で、歴史系の地域博物館に行かなければならなかったんです。地元の博物館でいいかと思っていたのですが、たまたま地元の地域博物館が展示替えで閉まっていたのでこちらに来ました。渋谷区は近いんで馴染みもあるんです。

入っていきなりお出迎えしてくれるのは、忠犬ハチ公。渋谷駅の待ち合わせの代名詞ですが、これはレプリカです(笑)
他にもさまざまな工夫があって、面白かったですよ。
「白根記念 渋谷区郷土博物館・文学館」
〒150-0011 渋谷区東4-9-1
電話 03-3486-2791 FAX 03-3486-2793
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日(休日の場合その直後の平日)・年末年始
入館料 一般:100円(80円)/小中学生:50円(40円)
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板橋小旅行「甲冑 西と東」 [歴史全般]
夏休みの最後に「トプカプ宮殿の至宝展」 [歴史全般]
明日から大学が始まるので夏休み中に行っておこうと上野の東京都美術館に赴きました。平日だから空いてるだろうと思った私が愚かでした。今日はシルバーデーということで、なんと65歳以上は無料! 私が行ったのは11時過ぎでしたが、そのときには20分待ちという状態。タダのちからはすごいと改めて思いました。
中身についてですが、さすがオスマン帝国、装飾品の豪華さが目立ちました。ネックレスやターバン飾りなどにはエメラルドやルビー、ターコイズなどがふんだんに使われていて、当時の富の豊かさがうかがえました。
私が興味を持ったのは武器。中でも遊牧民特有の短弓は、反り具合に驚きました。知識として知っていてもやっぱり実物を見ると感動します。弦を張っていなかったのですが、完全に逆方向に反って丸まっていたんです。これだけのしなりがあったら引く方も相当な力が必要だったでしょうし、威力も相当のものだったのだろうと思いました。
その他、アラビア語の文書などもあったのですが、実物の「コーラン(クルアーン)」を見たときはなぜか鳥肌が立ちました。
追記:今日、古田選手の引退発表会見がありました。まだ18試合あるので、シーズンが終わってから詳しく書きますが、今はただ、ありがとうの一言です。
『中世賤民の宇宙(文庫)』〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
中世史の巨人、阿部謹也さんの著作を再編集した一冊です。阿部さんが亡くなられたことにともなっての刊行だったのでしょうか。

中世賤民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫 ア 25-1)
- 作者: 阿部 謹也
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
とにかく内容が難しくて、何度もつまずいてほかの本に手を伸ばしてしまいました。いくつかの論文や講演の内容を合わせて一冊にしているので、内容が多岐にわたっています。
中でも私が興味を持ったのは、表題にもなっている「中世賤民の宇宙」です。中世の人々は(キリスト教が全盛になる以前)、家や共同体など自然の影響を受けない内側の空間「小宇宙(ミクロコスモス)」と、人間の手に負えない驚異的な大自然の空間「大宇宙(マクロコスモス)」を区別して考えていたというのがこの論の中心で、小宇宙と大宇宙の境界で仕事をする人々が中世において賤民と見なされるようになったといいます。
詳しくは書けませんが、論の展開には説得力があり、さすがという印象を受けました。
『知っておきたい「食」の世界史』〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
ぼとんどブログ放置状態が続いていて、更新するのにも勇気がいるのですが、レポートの嵐の中から課題図書を一冊。
食材や食文化についてのトリビア満載、という感じの本でした。
狩猟・採集の時代から現代まで、どうやって食材が交流して、何を契機に新しい料理法が生まれたのかなど、なるほどと思うようなことがけっこうありました。よく知っているあの食材の原産地があんなところだったり、昔は貴重品だった食材が今ではあたりまえのものになっていたりと、意外と知らないことが発見できるかもしれません。
また、現代の食生活がいかに荒れているかがわかって考えさせられることもありました。「飽食の時代」といわれる一方で、飢餓で死んでいく人たちもいる、そういうことを考えると今一度、自分の食生活について見直してみる必要があるんじゃないかと思います。
この本について、要約をして、批判を展開せよというのがレポートなのですが、まだ終わっていません。レポートなしで、気楽に読みたい一冊でした。
『ジャンヌ・ダルク』〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
以前、ゲームのジャンヌ・ダルクを紹介しましたが、今回は書籍、中公新書のジャンヌ・ダルクを紹介します。
最近、岩波新書でも出ていましたが、これはそれよりもだいぶ昔に書かれた本です。この本は、ゲームのジャンヌ・ダルクをやるのと平行して読んでいたので、史実と虚構の分かれ目がはっきりわかりました。
しかし、やはり気になるのは、なぜジャンヌに神の声が聞こえたかということ。私の印象では、彼女は間違いなく「神の声」を聞いています。ただ、スピリチュアル的に見ても神と言えるほど高級さ存在が直接人間と交信することは不可能なはずなので、「霊的な存在」の声だと思われます。ただ、戦争に勝つことが霊的真理から見て良いことなのかどうか、私には判断できないので、その霊が高級霊なのか低級霊なのかはわかりませんが、快進撃のあとに行われ、惨敗を喫したパリ攻撃について、ジャンヌはお告げを聞いたことはなく自分の判断だったと発言しているところから、このころ波長が低くなって交信ができなくなってしまったと考えることもできます。
彼女は最後は魔女とされて処刑されるわけですが、書物を読んでみても、ジャンヌは一面では高い波長を持っているようでも、一方の面では無鉄砲だったり、現状を無視した行動が目立ったりと、二面性のある人物だったのではないかと思いました。
「物語 チェコの歴史」〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
実はこの本、私がこの一年間教わった大学の教授が書いた本なんです。なかなか面白くて、課題が易しい(笑)先生で、同じ授業を受けている学生からは慕われていました。
内容は著者の専門でもある中世が中心に書かれていましたが、他の「物語…」シリーズとは少し趣が違って、その時代チェコに生きた人々の実像を描き出そうという意図が見られ、独特な切り口という印象を受けました。
教会改革者ヤン・フスは有名としても、書籍作りに生涯を捧げた「プラハの出版業者イジー・メラントリフ」なんて、チェコの人でも「誰!?」と言いたくなるような人物ではないでしょうか。
私も専門にしたい中世の部分が多かったので勉強になりましたが、そのぶん激動のチェコ近代、現代の記述が少ないので、物足りないという人もいるかもしれません。
『歴史学ってなんだ?』〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
後期試験もあと1科目になり、これが終われば長期春休みというところまで来ました。最後の1科目は記述式の問題になりそうで、学生としての真価が問われそう(?)なのですが、今日はこの科目で教科書として使った本について紹介します。
かなり初心者向けの歴史学入門書という感じで、穏やかな文体で書かれていましたが、非常に具体的で専門的な内容まで含まれていました。
初見では、なんで敬体(ですます調)で書かれているんだろうという疑問もあり、少し引っかかる表現はあったのですが、読んでいくととても高い志を持って書かれていることがわかります。
この本は3つの問題を設定し、それについて考えるかたちで進行します。
その3つとは『歴史学は「史実」にアクセスできるか』『歴史学は社会の役に立つか』『そもそも歴史学とは何か』です。
どれもこれから史学科で勉強していく私たちにはたいへん重要で、切実なテーマです。
筆者は、今までの歴史学の変遷や現在の動向を交えながらわかりやすくこれらの問題に対する主張を明らかにしていました。初心者の私には歴史学の今までの流れを知ることもできて非常に勉強になりました。テストに向けて読み直して改めてそれを実感しています。
明日の試験はこれを踏まえてのものなので、あとは自分を信じて明日を待つのみです…。
『物語 スイスの歴史』〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
十日以上も更新しないで、申し訳ありません。相変わらずテスト勉強に大忙しです。今日はちょっと一段落して休みが入ったので、久しぶりに更新しようと思いました。
今日はこの本を取り上げようと思います。
大学の授業の関係で読んでみたんですが、この本を読んで、スイスという地域は本当に独特の歴史を持つ地域だなと思いました。これまで、あまりスイスのことは考えたことがなかったんですが、今回これを読んで、とてもスイスの歴史や風土に興味を持ちました。
スイスの伝統的な統治形態は地域主義。中世以来、小さな農村や都市が寄り集まるかたちで同盟関係が生まれ、そこから徐々に国家としての枠組みが生まれてきます。大国に囲まれた小国ながら、傭兵制や武装中立など独自の政策で生き続けてきたスイスの人々には素晴らしい知恵が感じられます。
これを期にさらにスイスについて調べていこうと思いました。
ムハンマドという人 [歴史全般]
今日はこの本の紹介です。
私がこの本を手にしたのは、最近非常に気になっていた、ムハンマドが受けた啓示はどこまでが本当で、どれだけ神(霊界)の意志が関与しているのかを知りたいという理由からでした。というのは、イスラームが真に神の啓示に基づいているなら、なぜ戦いを肯定するような啓示をしたのかという疑問があったからです。私は、たとえ神のためであっても、戦は霊界の真理に反するものだと思うのです。
本の内容についてですが、この本はムハンマドの生涯やクルアーン(コーラン)の教えを通して、人間ムハンマドが人類史に残した影響について考察していました。
思想史家である筆者はムハンマドが受けた啓示を「思想現象」という言葉で表現し、霊的な要素に関しては(研究者としては当たり前ですが)中立の立場で書いていました。そして、ムハンマド自身を「巨大な思想現象であった」と言っています。
あまりいろいろ書くのは避けますが、イスラームの開祖ムハンマドその人に焦点を当てて書かれている本はあまりないので(日本ではイスラームについての本自体少ないですが)新しい視点が得られて面白かったです。私の疑問は完全には解消されませんでしたが、クルアーンの内容はほぼ間違いなく神(霊界)からの啓示なんじゃないかなと思うようになりました。決定的なものがあったわけではないんですが、なにか否定できないインパクトを感じました。
まだまだ分からないことも多いので引き続き宗教についても考えていこうと思います。