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永徳、若冲、大観の名作ずらり! 「皇室の名宝」展 [アート]

 本日は昨日と打って変わって展覧会のご報告。ちょっとした成り行きから、上野の東京国立博物館で開かれている「皇室の名宝ーー日本美の華」を観てきました。

 実はこの企画展、開催期間中に完全な展示変えがあるという、ちょっと変わった展示方式。日本画の媒体は傷みが早いので、長いこと展示していられないんですね。

 1期が10月6日ー11月3日の期間で、狩野永徳、伊藤若冲などの屏風や掛け軸がメイン。2期は11月12日ー11月29日の期間で、正倉院の宝物がメイン。1期と2期は展示品の中身がまるっきり変えられます。

 皇室の名宝だけあって、どれも名品ばかり、そして量がまた多い。前半をじっくり鑑賞していたら後半だいぶ息切れしてしまいました(笑) だって、若冲の「動植綵絵」シリーズだけで掛け軸30幅もあるんですよ…! すべて書いたら長大になってしまうので、記憶に残った作品を2点ほど。

 入って最初の展示室にあるのが狩野永徳・狩野常信の「唐獅子図屏風」。6曲1双の屏風で、16世紀に永徳が右隻を、17世紀に常信が左隻を描いています。まず屏風の大きさに圧倒されますが、永徳の獅子はとても迫力があります。2頭の獅子の体は曲線で描かれているのに、ゴツゴツしていて、猛々しさを感じます。

 一方、常信の獅子はどこか可愛らしく、同じように描かれているのに柔らかい印象を受けます。並べてみるとその違いがよくわかり、同じ主題でも作風によって印象がまったく違うというのが象徴的に感じられました。

 知った風に描いていますが、私、日本画はまったくの素人です。観て思ったことを勝手に書いているだけですので、悪しからず。

 もう一つ記憶に残ったのは、伊藤若冲の「動植綵絵」。全30幅の掛け軸が展示室いっぱいに掛けられている画は壮観でした。30幅の中にはさまざまな動植物が描かれているのですが、すごいのは鶏の絵。

 真っ白な鶏でも細かい色合いの違いで模様を描いて、どれもとてもリアルな造形でした。むしろ写実を越えて誇張、美化とも言えるかもしれません。そしてこんなに細かく描写していても、大胆で迫力があるというのが不思議でした。細かい描き込みの積み重ねで、鶏の凛とした姿勢や雄々しい姿をみせられるというのは、いい技持ってますねぇ。

 展示されている全80作品中、若冲のこの作品が作品No. 7。ちなみに30幅で1作品です。これを見終わった時点ですでに入って1時間が経過していました(笑)

 私の拙いレビューで恐縮ですが、永徳や若冲が見られるのは11月3日まで。お急ぎを!
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イソップ

makuzuさん、初めまして。niceありがとうございます。

by イソップ (2009-11-15 17:11) 

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