『神話の力』を読みました。 [霊界・神話・伝説]
本の紹介をしましょう。ジョーゼフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ著『神話の力』。店頭で引き寄せられるようにして手に取った一冊です。
神話とは何か、神話が私たちに教えてくれることとは何なのかを語った、神話学者・ジョーゼフ・キャンベルとジャーナリスト・ビル・モイヤーズの対談形式の本です。哲学的な内容や比喩も多くて、難しい本でした。
この世界には様々な文化があり、それぞれに神話や宗教物語が語り継がれています。彼らの話はそんな多様な神話に通底するもの、いわば宇宙の真理のようなものに迫って展開されます。神話は何のために生まれて、現代の私たちに何を問いかけてくるのか、そこから私たちは何を学べるのかということが様々な角度から議論されます。
インドの神は【苦行】好き!? 『インドの神話 マハーバーラタの神々』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
私は今までにもキリスト教やイスラーム、北欧神話あたりの宗教・神話には触れてきました。でも、インドの神話について詳しく読んだのはこの本が初めてです。世界の宗教を知るうえで、やはりインドの宗教は外せないですね。
この本では、インド・アーリヤ人最古の文献『リグ・ヴェーダ』における神々と創造神話の紹介を導入に据えて、二大叙事詩『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』の記述を中心に初期ヒンドゥー教神話を語っていきます。
もっとも、『ラーマーヤナ』も『マハーバーラタ』も原書は大長編であるため、取り上げられるのはほんの一部の物語です。それでもインド神話の世界観というのはとても興味深く、語られる神々の性格も物語の筋も、バラエティに富んでいました。
北欧神話の入門書! 『北欧神話と伝説』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
原書の初版は1921年。邦訳の原本は1971年に新潮社から刊行されています。この本が普及版として文庫化されたのは、なかなか画期的なことだと私は思いますね。北欧神話と伝説に関する入門書としては申し分ない内容だと感じました。
この本は2部構成になっていて、第1部が「神話篇」、第2部が「サガと伝説篇」とされています。
パウロ・コエーリョ『星の巡礼』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
『イエスの生涯』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
この本は福音書(新約聖書)の中の事実と真実を、キリスト者としての信仰心と小説家としての発想力から、探ろうと試みたものだと私は感じました。私は遠藤周作さんの書いたものを読むのは初めてでしたが、この方のキリスト教に対する真摯な姿勢が強く伝わりました。
読む前は、小説家の作品だから小説っぽいのかなと思ったのですが、読んでみると福音書の解説書、解釈本のようで、勉強になりました。作者はイエスに関する研究を徹底して調査していて、確定している史実と曖昧な事柄の線引きもしっかり行っています。
そのうえで自分の解釈、納得のいく考えを述べているので、読んでいて事実誤認をおかすこともないですし、むしろキリスト教に対する偏見や誤解を取り除いてくれるほどでした。
『イエスはなぜわがままなのか』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
いかにも挑発的なタイトルの本で、思わず手に取ってしまいました(笑)
タイトルや見出しではかなり煽(あお)っていますが、中身はいたってマジメ。日本人クリスチャンである著者が、信仰する過程で持った疑問を真摯に考えて解き明かしていった体験談のような内容です。
第一章の見出しを一部挙げると…
・空腹のあまり、イチジクの木を呪って枯らす
・動物を鞭でたたき出し、市場をめちゃくちゃにする
・弟子に「おまえなんか生まれてこなければよかった」
最初はちょっと俗っぽいのかなと思って読み始めたのですが、キリスト教に少し触れると誰もが抱く疑問や聖書の中の不可解な記述などがかみ砕いて解説されているので、キリスト教をちょっと苦手に感じている人や、詳しく知りたいけど出だしでつまずいている人なんかが読むと、キリスト教をずっと身近に感じられるようになるんじゃないでしょうか。
『スピリチュアルメッセージ2死することの真理』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
江原啓之さんと自身の指導霊「昌清霊」との交霊会をまとめた一冊。三巻出ているうちの二冊目です。
それまでのスピリチュアリズムへの入門としての書籍とは少し違い、本格的に「あの世」と「この世」の真理を扱ったシリーズです。内容的にはかなり『シルバーバーチの霊訓』のシリーズに近くなっています。なぜなら真理は一つだから(笑)
個人的に、近ごろ身近な人の死に接することが多く、死について真剣に考えざるを得なくなってきました。やはり「あの世」の存在をリアルに示されると救われるところがあります。そして改めて、残された者は一生懸命に今を生きなければいけないと気づかされます。
最近の無為な日々を反省させられる一冊でした。
「クルアーン」についての本 [霊界・神話・伝説]
「クルアーン」=「コーラン」です。クルアーンの方が原語に近いので、最近ではこれが使われることが多くなっています。
「クルアーン」とは言わずと知れたイスラームの聖典ですが、この本ではクルアーンはどうやってできてきたのか、またクルアーンの宇宙観はどういうものなのかについて解説しています。
また、それを踏まえて最後の章では歴史は浅いながらも日本におけるクルアーン研究がどのように行われてきたのかということも解説されていて興味深かったです。
既存の宗教も原初においては霊的な力が介入して生まれたのだろうと考えている私としては、クルアーンはたいへん興味深い書物です。もし仮にアッラー(に遣わされた天使)がムハンマドを霊媒として使おうとして「啓示」を与えたのだとしたら、いったいどこまでクルアーンの内容を(霊界の言葉として)信じればいいのかというのが大きな問題です。それは当然ムハンマドという人物の霊格をどこまで信じていいのかという問題でもあります。
というのも、イスラームの教えは根本においてはとても倫理観に富み、霊的真理に照らし合わせても共通するところが多いにもかかわらず、ムハンマド自身もジハード(聖戦)と称する戦争で信徒を拡大していった歴史があるからです。
また、ユダヤ教、キリスト教との関係も気にかかります。イスラームはユダヤ教、キリスト教の聖典(旧約聖書、新約聖書)を先行する啓典として重んじ、アブラハムやイエスもムハンマドに先行する預言者として並べています。これは歴史的にムハンマドがユダヤ教などと接触する機会があったために取り込まれていったとする見方が強いようですが、この融合も霊界が予期していたことなのかどうかが分かりません。
書いていて何が言いたいのか分からなくなってきましたが、スピリチュアリズムを歴史になぞらえて語るのはまだまだ早すぎたのかもしれません。
霊の発見〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
霊界関係でもう一冊。
作家の五木寛之さんと「神道ソングライター」の鎌田東二さんの対談形式で書かれた本。霊の話と言うよりは宗教や霊的感覚とそこに何かを感じる人間の神性を考えるというような内容でした。
2人は霊の存在や死後の世界については「中立」の姿勢を保っているように思います。
しかし、今まで人間が抱いてきた信仰なり、守ってきた儀礼的習慣、霊的な場所の根底には「なにか」があるのだろうという結論は2人とも終始持っているようで、今の日本人にはそれが欠如しているんじゃないかという議論も展開されています。
何かしら「依って立つもの」を持つことで、人はモラルを持った行動が自然とできるようになるんじゃないか、というようなことも言われていて、読んでいてなかなか面白かったです。
江原啓之への質問状 の感想 [霊界・神話・伝説]
最近本の紹介が多くなっていますが、今回もそんな話題です。
前に読んだ『人はなぜ生まれいかに生きるのか』では言及されていない、若干、俗っぽい内容というか、どうやって物質中心主義的な現世を生きていくべきなのかについてを中心に書かれていました。
聞き手の丸山さんの質問が非常に現実的な内容なので、それが逆によりリアルな江原さんの答えを導いているように思います。対話形式で読みやすく、現在日本や世界が抱えている問題が中心なのでわりと取っつきやすいのではないでしょうか。
世間ではこういう常識だけど、それってスピリチュアル的にはどうなの?と思うことに対して答えが出されていたりするので、「なるほど」と納得できることがあったり、「うーん…」とちょっと考え込んでしまうことがあったりして読む人によっても感じ方が変わってくるかも知れません。
スピリチュアリズムが世の中に広く、正確に広まっていくことを期待しています。