『ハーメルンの笛吹き男』〜ブックレビュー〜 [霊界・神話・伝説]
先日亡くなられた西洋中世史研究の重鎮、阿部謹也さんの名著です。
もともとこのお話を耳にする機会がなく、予備知識を全く持たずに読んだのですがたいへん興味深く読めました。
阿部さんはこの本を通してハーメルンの笛吹き男伝説の真相を探るとともに、この伝説が生まれた当時の人々(都市民や下層民、そして遍歴芸人など)の生活実態、そして人々の心的構造までも解き明かそうとしていました。
その中で過去に展開されてきた様々な研究を再度検証し、それぞれを解説していました。
私としては伝説の検証はともかく、中世の世界が生き生きと伝わってきたことが面白かったです。それから歴史学の研究の方法も学ばせて頂いた気がします。これから私が歴史学を勉強していく上でこの本はかなり意味があったと思います。
私は単純に少年十字軍がモデルになったとばかり思っていました。
調べると、結構いろいろな説がある話なんですね。
う〜ん、歴史は深い。
by ty-ortho (2006-10-05 00:09)
数少ない昔からの私の蔵書です。確かに名著ですが、
その着想に感心しました。改めてもう一度手にとって
みたく思います。
by yoku (2006-10-05 05:20)
ty-orthoさん、コメント&niceありがとうございます。
この本では十字軍の説の他に、東方植民説や大量戦死説などが取り上げられていました。また、それらの説はそれぞれ、その説が唱えられた時代の人々の心を反映していると言います。
by イソップ (2006-10-05 18:52)
yokuさん、コメント&niceありがとうございます。
一度読んだ本は大きな財産になりますね。何度読んでも新しい発見があります。
by イソップ (2006-10-05 18:54)