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『中世賤民の宇宙(文庫)』〜ブックレビュー〜 [歴史全般]

中世史の巨人、阿部謹也さんの著作を再編集した一冊です。阿部さんが亡くなられたことにともなっての刊行だったのでしょうか。

中世賤民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫 ア 25-1)

中世賤民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫 ア 25-1)

  • 作者: 阿部 謹也
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 文庫


 とにかく内容が難しくて、何度もつまずいてほかの本に手を伸ばしてしまいました。いくつかの論文や講演の内容を合わせて一冊にしているので、内容が多岐にわたっています。

 中でも私が興味を持ったのは、表題にもなっている「中世賤民の宇宙」です。中世の人々は(キリスト教が全盛になる以前)、家や共同体など自然の影響を受けない内側の空間「小宇宙(ミクロコスモス)」と、人間の手に負えない驚異的な大自然の空間「大宇宙(マクロコスモス)」を区別して考えていたというのがこの論の中心で、小宇宙と大宇宙の境界で仕事をする人々が中世において賤民と見なされるようになったといいます。

 詳しくは書けませんが、論の展開には説得力があり、さすがという印象を受けました。


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