『八日目の蝉』〜ブックレビュー〜 [小説・本の紹介]
爆笑問題の太田光さんが、ラジオで強く推していた作品です。
私は最近あまり現代のサスペンスを読んでいなかったのですが、太田さんが猛烈に絶賛していたのでどれほどのものだろうと思って買ってみました。
率直な感想としては、ただただ面白くて、私の心に響くものがありました。太田さん曰く「小説のお手本のようだ」ということでしたが、私もそう感じました。筆がなめらかでくどくない、これほどの大作をこうもサラッと描けるのかという印象です。
私自身が小説というものを、それほど多く読んでいないので、細かく批評することはできませんが、罪を犯すこと、犯してしまったことの苦しさだったり、親になりきれないことのつらさだったり、犯罪に巻き込まれることのやりきれなさというものがみごとに描かれていて、登場人物が発する「なんで私だったの?」という言葉が自分のことのようにひしひしと伝わってきました。登場人物それぞれが抱える「なんで私だったの?」の思いに、ただ生きることの難しさを感じました。
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