『闇の守り人』〜ブックレビュー〜 [小説・本の紹介]
以前紹介した『精霊の守り人』の続編。最近文庫化されたようで、書店で見つけてすぐに買ってしまいました。
今作は、主人公の過去がクローズアップされる作品で、主人公が故郷に帰るところから始まります。前作とはだいぶ雰囲気が変わって、過去との葛藤、亡くなった者の思い、そして陰謀の真実と、人物の内面に迫ったテーマが表に出ていました。
それでもさすがは文化人類学者、前作同様、物語の核は口承伝承であって、そこに「二つの並行した世界」の接点があります。ここに作者の経験が導いた答え、すなわち「神話という拠り所があって日々の生活は営まれる」という一つの研究の成果があるように思われ、またここにこそ、この作家のオリジナリティがあるように思われるのです。
文体は児童向けなので物足りない部分もありましたが、ファンタジー好きにも十分楽しめる内容でした。
2007-09-24 17:35
nice!(1)
コメント(1)
トラックバック(0)
naoさん、niceありがとうございます。
by イソップ (2007-09-28 18:12)