SSブログ

米澤穂信『氷菓』〜ブックレビュー〜 [小説・本の紹介]

 米澤穂信さんを立て続けに読んでいます。今回読んだのは『氷菓』。「古典部」シリーズの1作目にして、米澤氏のデビュー作でもあります。


氷菓 (角川スニーカー文庫)

氷菓 (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 文庫




 文庫にして200ページ強というページ数で、とても気軽に読めました。そしてミステリーを謳いながら人が死なないというのも読むのに楽です。普段小説を読まない中高生が入門するのには、入っていき易い作品なんじゃないかと思います。



 この作品は高校生の物語で、主人公が高校の部活である「古典部」に入るところから始まります。基本的にやる必要がないことはやらない体質の主人公ですが、他の古典部部員に振り回されて様々な謎解きをさせられることになります。そして彼は33年前の「古典部」で、ある事件が起こったことを知り、その事件の真実に迫っていくことになるのです…。


 まだ2作品しか読んでいませんが、この作者は高校生を描くのが上手だなという印象を持ちました。高校生の言葉遣いや仕草、感情の揺れをよく描いていて、登場人物の性格や個性が際立つように工夫されています。会話やジョークがなんとも文系の高校生で、いい味わいを醸し出していました。


 それからやはりストーリーテリング。殺しも誘拐も起こらない、もっと言えば何も起こらないただの高校生の日常を描いていて、こんなに面白い作品になるというのは優れた構成力だと思います。


 こんな高校生の物語を読んでいたら、自分も高校時代に戻りたいと思ってしまいました。青春っていいなぁ…。


ブログランキング参加中↓をクリック♪
blogram投票ボタン
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 2

伊集院(闇)

おお! 古典部行きましたか!
米澤さんは本当高校生描くの上手ですよ。そして確かに読んでいると戻りたくなる……青春ですなぁ

文庫で探すなら『小市民』シリーズというのもありますよー。こちらも同じく、死人が出ない日常推理系の作品です。まぁ、古典部と較べると薄暗いイメージもありますが。
古典部を読み終えたら是非探してみてください。

ちなみに、私が米澤さんの作品を薦める際は(飽くまで私個人の意見ですが)

『さよなら妖精』→「古典部」→「小市民」→ボトルネック(文庫)→その他単行本、storyseller等短編集etc

という順番で読むようにオススメしています。
by 伊集院(闇) (2010-07-09 23:34) 

イソップ

伊集院(闇)さん、コメント&解説ありがとうございます!

米澤さんの日常の推理小説は本当に読みやすいですね。
本を紹介してくれる人ってあまりいないので、薦められると読みたくなってしまいます(笑)
参考にさせていただきます。

by イソップ (2010-07-10 08:51) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。