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映画「駆込み女と駆出し男」〜江戸時代の離婚を「いきいきと」描く〜 [アート]

 映画「駆込み女と駆出し男」を観てきました。公開当初は観るつもりはなかったのですが、前に両親が観てきて面白かったと言っていたのと、ライムスターの宇多丸さんがタマフルで絶賛していたのがきっかけで観る気になりました。口コミって大事ですね。

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 やっぱり観て良かったです。とても面白かった。江戸時代の駆け込み寺「東慶寺」を舞台に、様々な想いを抱えて寺に駆け込む女性たちの物語を重すぎず、軽すぎず、いきいきと描いています。原案となった井上ひさしの『東慶寺花だより』は読んでいませんが、この機会に読んでみたいと思いました。


 見どころはと言えば、やはりご存じ大泉洋の巧みな話術抜きには語れません。医者見習いで戯作者の卵という肩書きを自称する駆け込み寺の御用宿柏屋の居候を演じています。当主源兵衛の甥で、いわゆる離婚調停人の手伝いをするわけです。


 江戸時代の時代劇を観ると割とみんなそうなんですが、この映画もみんな台詞回しがかなり早い。そんな中でもとりわけ大泉洋さんの虚実織り交ぜて捲し立てる舌鋒は圧巻の一言です。


 物語は江戸時代の天保年間を描いていますが、この時代の雰囲気というものが生き生きと伝わってくるのが良かったです。いわゆる天保の改革で有名なこの時期は、水野忠邦による緊縮政策が敷かれていて、贅沢や奢侈が禁止されていました。


 でも、それでも江戸の庶民たちは面白いこと、楽しいことが大好きで、戯作本をこぞって読みたがる。曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』の最新刊を待ちわびている。その時代の面白さ、素敵さが、この映画をますます魅力的にしているように思いました。


 他にも戸田恵梨香演じるじょごと満島ひかり演じるお吟の美しい友情や、豪商の妾としての人生を貫いたお吟のかっこいい生き様など、見どころはいくつもあります。


 江戸時代の離婚を「いきいきと」描いたこの映画、観て損はないと思いますよ。

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