小篇「スカウト」アイドルのショート×３採用ネタとアナザーver. [＠与太ガラス]
大手芸能プロダクションに就職し、スカウトになってもう10年になる。オレは今日も原宿にアイドルのスカウトに来ていた。
「ねえキミ！ちょっと時間あるかな？あ、大丈夫大丈夫！怪しい者じゃないから」
キレイめの女の子に当たりを付け、サッと名刺を出す。
「えー、やだ、スカウトですか？ワタシそういうの全然興味ないんですよ〜」
なかなか声に特徴がある。意外とオタク受けするかもしれない。
「今アイドルグループのメンバー候補を探しててね。キミ、いい声してるね。心配いらないって、ウチは下積みとか全然ないから。キミならすぐにアイドルになれるよ。話だけでも聞いてってよ、ね、ね！」
「えー、うーん、どうしようかなぁ、でもワタシこれから予定あってぇ、友達待たせちゃうんでぇ」
私は何度も食い下がったが、説得することは出来ず、ついに彼女は去ってしまった。しかし、あの声がどうしても諦めきれず、振り返って彼女を探した。
通りから外れた路地で、あの特徴的な声がする。あの子だ！
「みんな〜！見てくれてありがとう！【気まぐれカノンちゃんの原宿スカウト10人斬りライブ！】無事達成しました〜！タイムは3時間！うーん、ちょっと長かったかな。わー、たくさんおひねりありがとー！次回も必ず見てね。バイバーイ！」
チッ、ネットアイドルの小遣い稼ぎかよ。
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
カーボーイでようやく初日。5月15日深夜の放送で今年初めてネタ採用頂きました。ショートショートショートでの採用もまた格別。ただ放送を聴いていても、自分のネタはまだ長いなと思います。もっと短く、密度を濃くしないと続けての採用は厳しいでしょう。
JUNK 爆笑問題カーボーイ | TBSラジオ | 2018/05/15/火 25:00-27:00
http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180516010000
※radikoで再生可能です。再生開始から24時間以内に合計3時間まで聴取可能です。
放送から1週間以内限定です。
そんなことを書きつつ、実はこのネタ、もっと長いバージョンも作っていました。どっちを送ろうか迷ったんですが、選んでもらえればいいやなどと考えて両方送りました。やっぱり短い方が読まれましたね。蛇足とは思いますが、長い方はオチが違うので、こちらもどうぞ。
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
所属事務所の命令で、原宿にスカウトにやってきた。これから売り出すアイドルグループに、新人が1人欲しいという。
歩いていると、1人の女性が目に入った。黒髪ロングで控え目な顔立ちながら、イタズラっぽい目をしている。…オタク受けする顔だ。
「ねえキミ！ちょっと時間あるかな？あ、大丈夫大丈夫！怪しい者じゃないから」
サッと名刺を出す。ープロダクションBK。この名前を見て無視できる女性はいない。言わずと知れた大手芸能事務所だ。
「え〜、やだ、スカウトですか〜？ワタシそういうの全然興味ないんですよ〜」
この声を聞いた瞬間に確信した。アニメ声というほどあけすけではないが、一度聞いたら忘れない特徴のある声だ。これだけでも周りを引き込む力がある。
「今アイドルグループのメンバー候補探しててね。心配いらないって、ウチは全然下積みとかないから。キミならすぐにアイドルになれるよ。話だけでも聞いてってよ、ね、ね！」
「えー、どうしようかなぁ、でもこれから予定あって、友達待たせちゃうんでぇ」
私は何度も食い下がったが、説得することは出来ず、ついに彼女は去ってしまった。しかし、あの声がどうしても諦めきれず、振り返って彼女を探した。
通りから外れた路地で、あの特徴的な声がする。あの子だ！
「みんな〜！見てくれてありがとう！【気まぐれカノンちゃんの原宿スカウト10人斬りライブ！】無事達成しました〜！タイムは3時間！うーん、ちょっと長かったかな。わー、たくさんおひねりありがとー！次回も必ず見てね。バイバーイ！」
チッ、ネットアイドルの小遣い稼ぎかよ。
ーー 翌日。
事務所に呼び出された私は、社長室に連れてこられた。
「君の活躍は見事だった。これはボーナスだ」
私は社長から金一封を手渡された。
「社長、何かの間違いじゃないですか？昨日のスカウトは成果なしだったんですよ？」
「それはカノンちゃんからの手間賃だ。バイト代と言えばいいかな」
カノンちゃん？あのネットアイドルか！
「それと、カノンちゃんからの伝言だ。スカウトならもっとお洋服にお金かけた方がいいですよ、だとさ」
私はプライドをへし折られ、怒り心頭で言い返した。
「社長、じゃあオレは素人の小遣い稼ぎのサクラに使われたんですか？」
「勘違いするな。カノンちゃんはウチのネット部門の稼ぎ頭だよ」
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
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「ねえキミ！ちょっと時間あるかな？あ、大丈夫大丈夫！怪しい者じゃないから」
キレイめの女の子に当たりを付け、サッと名刺を出す。
「えー、やだ、スカウトですか？ワタシそういうの全然興味ないんですよ〜」
なかなか声に特徴がある。意外とオタク受けするかもしれない。
「今アイドルグループのメンバー候補を探しててね。キミ、いい声してるね。心配いらないって、ウチは下積みとか全然ないから。キミならすぐにアイドルになれるよ。話だけでも聞いてってよ、ね、ね！」
「えー、うーん、どうしようかなぁ、でもワタシこれから予定あってぇ、友達待たせちゃうんでぇ」
私は何度も食い下がったが、説得することは出来ず、ついに彼女は去ってしまった。しかし、あの声がどうしても諦めきれず、振り返って彼女を探した。
通りから外れた路地で、あの特徴的な声がする。あの子だ！
「みんな〜！見てくれてありがとう！【気まぐれカノンちゃんの原宿スカウト10人斬りライブ！】無事達成しました〜！タイムは3時間！うーん、ちょっと長かったかな。わー、たくさんおひねりありがとー！次回も必ず見てね。バイバーイ！」
チッ、ネットアイドルの小遣い稼ぎかよ。
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カーボーイでようやく初日。5月15日深夜の放送で今年初めてネタ採用頂きました。ショートショートショートでの採用もまた格別。ただ放送を聴いていても、自分のネタはまだ長いなと思います。もっと短く、密度を濃くしないと続けての採用は厳しいでしょう。
JUNK 爆笑問題カーボーイ | TBSラジオ | 2018/05/15/火 25:00-27:00
http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180516010000
※radikoで再生可能です。再生開始から24時間以内に合計3時間まで聴取可能です。
放送から1週間以内限定です。
そんなことを書きつつ、実はこのネタ、もっと長いバージョンも作っていました。どっちを送ろうか迷ったんですが、選んでもらえればいいやなどと考えて両方送りました。やっぱり短い方が読まれましたね。蛇足とは思いますが、長い方はオチが違うので、こちらもどうぞ。
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所属事務所の命令で、原宿にスカウトにやってきた。これから売り出すアイドルグループに、新人が1人欲しいという。
歩いていると、1人の女性が目に入った。黒髪ロングで控え目な顔立ちながら、イタズラっぽい目をしている。…オタク受けする顔だ。
「ねえキミ！ちょっと時間あるかな？あ、大丈夫大丈夫！怪しい者じゃないから」
サッと名刺を出す。ープロダクションBK。この名前を見て無視できる女性はいない。言わずと知れた大手芸能事務所だ。
「え〜、やだ、スカウトですか〜？ワタシそういうの全然興味ないんですよ〜」
この声を聞いた瞬間に確信した。アニメ声というほどあけすけではないが、一度聞いたら忘れない特徴のある声だ。これだけでも周りを引き込む力がある。
「今アイドルグループのメンバー候補探しててね。心配いらないって、ウチは全然下積みとかないから。キミならすぐにアイドルになれるよ。話だけでも聞いてってよ、ね、ね！」
「えー、どうしようかなぁ、でもこれから予定あって、友達待たせちゃうんでぇ」
私は何度も食い下がったが、説得することは出来ず、ついに彼女は去ってしまった。しかし、あの声がどうしても諦めきれず、振り返って彼女を探した。
通りから外れた路地で、あの特徴的な声がする。あの子だ！
「みんな〜！見てくれてありがとう！【気まぐれカノンちゃんの原宿スカウト10人斬りライブ！】無事達成しました〜！タイムは3時間！うーん、ちょっと長かったかな。わー、たくさんおひねりありがとー！次回も必ず見てね。バイバーイ！」
チッ、ネットアイドルの小遣い稼ぎかよ。
ーー 翌日。
事務所に呼び出された私は、社長室に連れてこられた。
「君の活躍は見事だった。これはボーナスだ」
私は社長から金一封を手渡された。
「社長、何かの間違いじゃないですか？昨日のスカウトは成果なしだったんですよ？」
「それはカノンちゃんからの手間賃だ。バイト代と言えばいいかな」
カノンちゃん？あのネットアイドルか！
「それと、カノンちゃんからの伝言だ。スカウトならもっとお洋服にお金かけた方がいいですよ、だとさ」
私はプライドをへし折られ、怒り心頭で言い返した。
「社長、じゃあオレは素人の小遣い稼ぎのサクラに使われたんですか？」
「勘違いするな。カノンちゃんはウチのネット部門の稼ぎ頭だよ」
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