二本の魔槍グングニル [霊界・神話・伝説]
北欧神話で登場する魔槍グングニルは神々の王オーディンの持ち物として知られ、その矛先は狙ったものに必ず当たる力を持つといわれます。
私が読んだ北欧神話の資料は通っていた高校の図書館に置いてあった「世界の神話伝説大系」の中の「北欧の神話伝説」だけなのですが、その中でグングニルに関する記述が二つあるのです。
一つは神々の王オーディンの神話の中に出てきます。
世界樹ユグドラジルの根元にある知恵の泉はミミルという巨人によって見張られていました。オーディンはその巨人と交渉し、自分の片目を代償にその泉の水を飲むことを許されます。泉の水を飲んだオーディンは大変な知恵を得て知識の神と呼ばれるようになるのですが、その時オーディンは記念に(?)世界樹の枝を使って投げ槍を作りました。そして生まれたのが魔槍グングニルです。
もう一つは雷の神トールの神話の中で紹介されています。
ある時、イタズラ好きの神ロキがトールの妻シフの金色に輝く髪の毛をねたんでその神を全てつみ取ってしまいます。トールはその罰としてロキに同じ金髪を持ってくるよう命令し、ロキはこびとドファリンに金髪を作るように頼みに行きました。ロキはその時、ついでにオーディン神とその妻フリッガ神にも贈り物を頼み、オーディン神の贈り物として作られたのが魔槍グングニルです。
資料がこれしかないのではっきりとは分かりませんが、いったいどちらが本物のグングニルなのでしょうか。真相を知っている方がいましたら報告して下さい。
オーディン神はこの槍を自分の気に入った人間の戦士に渡し、英雄にしたと言われます。もしかしたら一つを人間に渡し、もう一つは自分の手元に残しておいたのかも知れませんね。
世界神話伝説大系 29 改訂版 (29)
世界神話伝説大系 30 改訂版 (30)
北欧とか、ケルトとか神話には泉とか神聖な樹とかが
よく出てきますね。神が宿っていると彼らな信じていた
のですね。残念ながら、この神話については知りませ
んでした。面白そうです。
by yoku (2006-04-01 09:32)
ケルト神話の神木というとオークの木ですね。霊木を崇めるというのはどこかロマンを感じますね。
by イソップ (2006-04-01 13:59)
私が読んだ北欧神話の中に出てくるグングニルは前者でしたょ。
ふむ、全てのものを貫く威力…狙ったものに必ず当たるという話もありますよね?
記憶違いかもしれないけどorz
by Alice (2006-04-01 20:13)
うーん、やはり前者ですかね。調べてみると両方出てくるんですよ。
性能は「狙ったものに必ず当たる」の方が正しいですね。私の記憶違いでした。訂正します。
by イソップ (2006-04-01 20:52)
自分が読んだ書物だと前者でした。
でもwikipedia等で調べてみるとドワーフが作った金属製の槍と出てきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%AB
穂の部分は鋼鉄、柄はトネリコの木で作られた槍と書かれていますね。
ですけども、自分が読んだ書物の中では
「世界樹ユグドラシルの枝から作られ、一度投げれば必ず命中し、使用者の手に舞い戻る」
という記述で、トール神の神鎚ニョルニルと同じような性質を持ってました、この性質に関してはどこを調べても変わらないようです。
こういう伝説は伝承の課程でどうしても色々な形に派生しがちなのでどちらが正しいとかは無いとは思いますが、元々はどっちだったんでしょうね。
by ntl (2006-12-18 20:23)
utiさん、貴重なご意見ありがとうございます。
どちらが正しいとかは無い>
たしかにそうですね。何百年も受け継がれている物語ですから色々な伝承があっておかしくないのかもしれません。
by イソップ (2006-12-19 21:02)