SSブログ

高校教育と大学受験2〜学ぶべきもの〜 [日記]

前回と1週間あいだが空いてしまいましたが、必修漏れの話題をもう一つ。

今回論じたいのは、高校の必修とされている授業の中で不要なものがあるのかということと、大学受験のための勉強は必要かということです。

自慢ではありませんが、私は高校時代の授業はどの科目も全て寝ずに受けていました。その上で思うのは、全ての科目が私にとってためになり、知識として役に立つということです。ましてや今回履修漏れが指摘されている政治経済や倫理、保健、家庭科などは実際の生活に直結するようなもので、知っていればそれだけで有益なものが数多く含まれています。極論すれば知っていて損をする知識なんてない訳ですが、そういう意味でも高校教育でこれらのことを学ぶ意義はあると思います。
問題となっている高校(生徒、保護者)は、目先の大学受験だけにとらわれてしまって、高校教育のこうした側面を見失っているのではないでしょうか。

大学受験に関しては、この問題が浮上した中でテレビなどでも叫ばれていますが、本当にその分野を大学で学んでいくのに必要な知識を入学試験で問うているのかという疑問があります。
実際に、大学で政治経済を学ぶのに必要な数学の知識や西洋史を学ぶのに必要な世界史の知識を入学試験で審査されずに入学できる大学が数多くあります。これは大学にはいること自体が目的になっている受験する側の問題でもあるでしょうが、大学数の増加と少子化のあおりを受けて生き残るのに必死な大学の側の問題でもあると思います。

もう一つは、大学受験のための勉強自体、高校生にとってそれほど重要なことなのかという疑問です。これは、ただ暗記を繰り返して大学の傾向に対して戦略を立てて、大学の方でも形式張った問題を解かせて評価するような入試をやって、果たしてそこで勉強したことは大学に入ってから役に立っていると言えるのかということです。
こんな事に大事な青春時代を費やすより他に学ぶべきことがあるはずだと思うのです。

高校も大学もそして生徒たちも、「学ぶべきもの」をもう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。


nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(2) 
共通テーマ:学校

nice! 1

コメント 6

ty-ortho

学ぶべきもの、、
う〜ん、なんなんだろう。
答えが出にくい問題だけれど、今回考える良い機会ではありますね。
by ty-ortho (2006-11-10 18:55) 

kimuko

理想はイソップさんのおっしゃるとおりなんですけどね。書かれたように大学の生き残り物問題もありますし、高校自体も生き残りの問題でもありますし、教育の構造自体がすでに硬直化していることは明らかなのですが、これを解決するのは本当に大変なことだと思います。この実態をどうやら数年前から文科省は把握していたようですが、それにもかかわらず更に拍車をかける「国立大学独立法人化」を推し進めてしまい、今後ますます状況改善は難しくなるでしょうね。
単純にいうと、行かなくても良い人間(つまり学ぶことが好きでない人間)までもが大学に行くことが必要になっている社会自体に問題があるんですよね。
by kimuko (2006-11-10 19:56) 

イソップ

ty-orthoさん、コメント&niceありがとうございます。
学ぶべきもの、それは本来一人ひとりが見つけていくものだと思うんです。学校もそのきっかけの一つになればいいと思うんですが。
本当に良い機会にして欲しいですね。
by イソップ (2006-11-10 23:12) 

イソップ

kimukoさん、コメントありがとうございます。
行かなくても良い人間までも…>
まさにその通りだと思います。大学に行かなくたってやれることはたくさんあるはずなんです。そういう意味では遊ぶために大学に行くという姿勢にも問題はあると思いますね。
by イソップ (2006-11-10 23:24) 

kimukoさんのコメントにあるように、今の学校は高校別大学合格ランキングだの就職に強い大学だのとめったやたらと競わされてるんですね。
ただ、私見ですが、競争ってのはもともと「敗者」を作るためにあると思うんです。野球チームのポジション争いなんてのも、もしチームが9人ちょうどなら成立しないわけで、要はハズレを決める必要があるから競争させるんですよね。
でも、教育ってのはハズレを出すことを前提にやるもんでしょうか。仕事やスポーツなら、そこでハズレた人は他のところでやり直せばいいけど、教育でハズレた人やハズレた学校って、どうすりゃいいんでしょう?
by (2006-11-11 22:13) 

イソップ

shiraさん、コメントありがとうございます。
ハズレ、教育はそういうものではないはずですね。ただ、学びの主体は自分であるわけですから、どの大学でも、もしくは大学に行かなくても難しいでしょうが学習はできます。そういった人でも区別なく就職できるように企業なり「オトナ社会」も考えるべきかもしれません。
by イソップ (2006-11-12 16:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。