ヴァルド派の谷へ〜ブックレビュー〜 [歴史全般]
大学の授業の教材として読んだ本です。
恥ずかしながらこの本を読むまで知らなかったのですが、キリスト教の異端の一派に「ヴァルド派」というのがあって、彼らはフランスとイタリアの国境付近ピエモンテ地方の谷に古くから住んでいたというのです。
本によると、ヴァルド派は12世紀頃フランスで金融業をしていたヴァルデスという人によって始められ、厳格な聖書主義を採っていたらしく、聖書研究や聖書の俗語訳の伝統があるといいます。
この本を読むと、彼らの歴史は苦難に満ちたもので中世から近代、現代へと至るまでに幾度も故郷である谷を追われ、それでも根絶することなく生き抜いてきた様子がうかがえます。また、あまり知られていないといっても近代にはヨーロッパ各地のプロテスタント勢力とネットワークを結んでいて、イギリスなどでは当時彼らの存在が一大センセーションを巻き起こしていたり、ナポレオンが彼らを保護したりしたことも書かれていました。
ヴァルド派についての本というのは日本ではあまりないため、興味のある人は手に取ってみてはいかがでしょうか。
山川出版社は歴史書に定評のある出版社ですね。
この本も面白そうですね。是非読んでみたいです。
by yoku (2006-11-13 04:14)
yokuさん、コメント&niceありがとうございます。
山川のヒストリアのシリーズはなかなか面白いタイトルが揃っていますね。ただ少し本格的なので値段がお高め…。
by イソップ (2006-11-13 19:59)
キリスト教の異端というと、思い出せるのが
アリウス派、ネトリウス派、アルビジョア派くらいです。
(思いきり教科書的ですが、、、)
ヴァルド派はもちろん知りません。
(えばっても仕方がないことですが)
この派は、何が1番の異端たる所以なのでしょうね?
聖書主義でしょうか。
by ty-ortho (2006-11-17 00:31)
ty-orthoさん、コメント&niceありがとうございます。
私も今まではその3派くらいしか知りませんでした。
おっしゃるとおり、異端とされた原因は「もっぱらその厳格な聖書主義」(p.12)だったと書かれています。
by イソップ (2006-11-17 22:02)