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京劇研究会の「イエスマン・ノーマン」を観て [アート]

 以前このブログでも紹介しましたが、昨年大学の授業でドイツ語劇を演じました。演目はベルトルト・ブレヒト作「Der Jasager und Der Neinsager」、英語で「イエスマン・ノーマン」です。


 このブログ記事(http://blog.so-net.ne.jp/knight-hall/2009-12-15)にコメントを寄せて下さった方が今回「イエスマン・ノーマン」を演じられた京劇研究会の関係者だった縁で、その舞台を見させていただくことになりました。


 実は今回の公演は「麻布演劇市」の仕切りで行われたのですが、私の両親が所属している演劇サークルも毎年ここでお世話になっているんです。その縁もあって私は今回【演劇市関係者】という肩書きで無料で観ることができたんです(笑)

blog-026 京劇研究会.jpg


 今回演じられたのは「中国伝統劇 拾玉鐲(しゅうぎょくしょく)」と「イエスマン・ノーマン」の二本立て。「イエスマン…」の方は京劇風にアレンジされていました。


 一本目は「拾玉鐲」。ストーリーはパンフレットから拝借して。

唐代の末、美しい孫玉姣を見初めた書生の傅朋が、家宝の腕輪をわざと彼女の門前に落とす。それを見つけた玉姣のためらいを、劉婆(仲人婆さん)が物真似をして見せ、恋情をかりたてて娘をからかうが、やがて三日後にまとめてやると約束する。


 セリフは中国語と日本語が半々ぐらいで、舞台脇のスクリーンに字幕が出るという形式。私は京劇を観るのが初めてだったので、強いインパクトを受けました。


 内容はあらすじそのまま、新劇でやれば5分で終わるような中身でしたが(←失礼!)、舞や所作が流麗優美で、踊りや歌唱をじっくり楽しませていただきました。


 表現技法としては日本の歌舞伎と似ているんでしょうか。顔は白塗りで綺麗にメイクし、踊りながら歌う、でも中国ならではの流れるような早い舞が魅力のひとつのようですね。いろいろ勉強になりました。


 二本目がブレヒトの教育劇「イエスマン・ノーマン」。あらすじはコチラを見てください。セリフは日本語だったので自分が演じた時よりわかりやすかったです(笑)


 演技についてはプロなので比べるべくもないですが、演出も凝っていました。元はオペラなのでもちろん歌いますし、京劇風なので舞もあります。山に向かうときのつなぎで舞ったのには驚きました。演者の動き方の演出にしても、自分たちの時にああしていれば、こうしていればと思うことが何度かありました。


 それから作品というか、教育劇に対しての理解も深まりました。現代の劇からするとだいぶ短い劇なんですが、それはテーマをより明確にするために余計なものを削ぎ落としている結果なのだと気づきました。


 教育劇というのは、テーマに対するひとつの答えというのがあるわけではなくて、劇を通して演者と観客がテーマについて考えることが大事なんですが、そのためにセリフを増やして説明するよりも、状況だけ示して考えさせることが狙いなんだとわかりました。


 京劇に触れ、授業の補足もでき、良い機会だったと思います。それから、偶然見に来ていた、大学の授業を担当していた先生(ドイツ人)とも会えました(笑)


 大学の授業からちょっと世界が広がった貴重な体験でした。

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イソップ

タケルさん、いつもniceありがとうございます。

by イソップ (2010-03-14 23:16) 

某大学教授

わざわざコメントまでお書き込みくださり、ありがとうございます。

http://www.youtube.com/view_play_list?p=494946504A7D4D17

で、舞台の動画が見られます。よろしければどうぞ。
by 某大学教授 (2010-06-19 01:22) 

イソップ

某大学教授さん、いえいえ、雑文で失礼しました。
こちらこそ、楽しい劇をありがとうございました。

by イソップ (2010-06-19 20:06) 

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