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新宿で「ユトリロ展」 [アート]

 昨日、新宿で大学時代の仲間との飲み会がありました。せっかく新宿に行くならと、友人と二人、ちょっと先乗りして東郷青児美術館に行きました。4月17日から行われている特別展は「モーリス・ユトリロ展ーパリを愛した孤独な画家ー」です。

blog-132 ユトリロ展.jpg

 ユトリロばかり90余点、いずれも日本初公開だそうで、なかなか豪華な展覧会でした。


 いつものように画家に対する予備知識はほとんどなかったのですが、ユトリロに対しては漠然と「なんとなく“天気が悪い絵”が多いな」と思っていました。そのことにちょっと違和感を覚えながらも、それがユトリロの味だと捉えていたんです。この展覧会を観ていても、はじめのうちはその印象が強かったのですが、後半に行くにつれて印象は大きく変わりました。



 この展覧会では、ユトリロの絵を「モンマニーの時代」「白の時代」「色彩の時代」と3つの時期に分類しています。私が思っていた“天気の悪い絵”は「白の時代」までの作品で、「色彩の時代」になると画風や色合いが大きく変わっていくんです。


 専門家ではないので自分の感じた印象で書きますが、絵全体の色の鮮やかさや空の色が違いますし、画中の人物の描き方も変わってきます。彼の描いたムーラン・ド・ラ・ギャレットの絵が多数出品されていたのですが、同じ場所を描いた絵でも、前半と後半では全く違って見えました。


 また、「色彩の時代」として括られた絵の中でも、全くタッチの違う作品が多数あり、一人の画家が描いたとは思えないほどのヴァリエーションがみられました。


 画家にスポットを当てた展覧会では、その画家のバックグラウンドを知ることができるのも魅力の一つ。パネルの解説を読むと、ユトリロの不遇の人生も垣間見られます。アルコール依存症を患った彼は、その治療のために絵画制作を始めたものの、酒を断つことができず、自宅でも監禁状態だったり、精神病院に入院したりということが多かったそうです。


 そんな背景を知るほどに、彼の手から生まれた作品を見ての驚きは増すばかりでした。


 あなたもユトリロを再発見! 会期は7月4日まで。興味を持たれた方は、ぜひ一度足をお運びください。

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イソップ

りぼんさん、niceありがとうございます。

by イソップ (2010-05-06 22:04) 

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