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「印象派を超えて 点描の画家たち」を鑑賞 [アート]

 今回は美術展のご紹介。12月23日まで国立新美術館で開催されている『印象派を超えて 点描の画家たち』(クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に)という展覧会を鑑賞してきました。目玉はゴッホの「種まく人」でしたが、他にも見応えのある作品がたくさんありました。

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 展示のコンセプトは、印象派の後を受けてスーラやシニャックが発展させた「分割主義」いわゆる点描の技法がどのようにヨーロッパに広まっていったかを辿っていくというものでした。印象派の代表としてはモネとシスレーが登場していました。


 分割主義は、印象派の筆触分割をさらに追求して、絵画を点の集まりで描くという技法です。もっと詳しく書くと、色を引き立たせるために、本来そこに置かれるべき色とは全く正反対の色を隣に配置する技法でもあります。これは言葉で説明するのは困難なので、興味がある人は調べてください。



 展示を見た感想から言うと、点描を論理的に描こうとしたスーラの絵は、私にはあまり感情を伴っていない表現に思えました。冷静に、体系的に、絵画を科学したスーラの功績は後世に多大な財産を残したと思います。でも私には、モネやゴッホのような、情感に訴えたり、激情を駆り立てたりする絵の方が魅力的に感じるのです。


 ゴッホも一時スーラに学び、影響を受けた一人だそうですが、ゴッホは分割主義の技法に独自の表現を結びつけて全く異なる表現を生んでいます。「種まく人」を眺めていて、彼が点描の枠に収まらなかったのは、彼の性格の問題だろうという気がしました。ゴッホの作品からは感情があふれ出ていました。


 さらにベルギーやオランダでの分割主義の展開が紹介され、最後の展示ではモンドリアンの作品が紹介されていました。分割主義の行き着く先は抽象主義だというのです。私は抽象主義は全くわからないのですが、モンドリアンの絵は、なんとなくいいなと思うところがありました。


 この展覧会は印象派以降のヨーロッパ絵画の総まとめという様相でした。正直、勉強になりました。印象派から分割主義が派生して、それが各地に展開していくというストーリーは分かりやすかったですし、取っつきやすいと思いました。


 それから、私にしては珍しく、音声ガイドを使ってみたのですが、これはなかなかいいものですね。キャプションだけではわからないエピソードをたくさん聞くことができました。


 久しぶりの美術展でしたが、様々なインスピレーションを得てリフレッシュできたように思います。皆さんも気が向いたらどうぞ。


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