シブラク「渋谷らくご」4月15日鑑賞!入船亭扇遊に感動! [アート]
ちょいと渋谷で落語を聴いてきました。どうです?乙なもんでしょう。これがなかなか趣があっていいじゃあありませんか。
渋谷区円山町はユーロスペースという小屋で、毎月だいたい2週目あたり金曜日から火曜日までの5日間、一日2回公演で落語の席がございます。この度は4月15日(土)の一回目(14:00〜16:00)の「渋谷らくご」を鑑賞致しました。料金は大人2500円です。
一人30分の席を四人が演って二時間ぴったり。立地も渋谷とあって、噺家さんたちも分かりやすいネタで入ってくださるので気軽に手軽に楽しめる落語です。
今回の演者とネタは
柳家緑君 『くしゃみ講釈』
立川吉笑 『狸の恩返しすぎ』
柳家緑太 『星野屋』
入船亭扇遊『妾馬』
実は落語を生で聴くのはたぶん2回目。しかも今回の噺家さんたちは映像でも見たことがない初見のみなさん。それでも楽しめるから落語はすごい。大したことは書けませんが、思ったことをすこし書きます。
柳家緑君さんはトップバッターでなかなか空気が掴めないご様子。まくらのウケもあまり良くなく、ネタの中で徐々に客を引き込んでいった感じ。序盤の与太郎のバカさの件でもう少し笑いが欲しいところでしょうか。
立川吉笑さんはまくらからドカンドカンと笑いが来ました。おそらく鉄板の「立川流一門ネタ」が見事にハマって、ネタ本編より笑いました。入門一ヶ月での談笑師匠との会食の件は臨場感たっぷりに緊迫感が伝わってきて、会場中が盛り上がっていました。ただその分、ネタをもっと大事に演じて欲しかったなと思うところです。
柳家緑太さんは雰囲気がガラッと変わってしっとりと星野屋の妾を演じます。人物のバリエーションはとても楽しめましたが、ところどころで噛んでしまったのが惜しい。
そこへ持ってきてトリを務めた真打ち入船亭扇遊師匠。圧巻とはこのこと。まくらから客の空気を全部持ってきて、ネタに入れば江戸っ子訛りの八五郎が捲し立てる捲し立てる。なんて気持ちのいい落語だろうと思いました。町人、武士、殿様とそれぞれに言葉も身分も雰囲気も違う役柄を完璧に演じ分けていて、感情の表現が丁寧で深い。
扇遊師匠はまくらで「最近の言葉が分からない、何でも略すのについて行けない」という話をしました。実はこれが本編にも効いていて、八五郎が町人言葉で武家屋敷に参ると、お互いに言ってることが通じないという事が起こります。現代では言葉の世代間ギャップですが、江戸時代は身分間の格差、いやむしろ身分の棲み分けとして意図的に言葉を分けていたんですね。ただ、もちろんそれは言葉が通じなかったというわけではありません。現に落語のネタとして江戸の庶民はそれを笑っていたわけですからね。
さて、ネタの方は武家言葉と町人言葉の違いから来る丁々発止の掛け合いの妙で、途中から笑いっぱなし…、だったはずが、いつの間にか泣いてるんですよ、信じられます? 八五郎が酒飲んで適当にくっちゃべってるところで、いきなり妹の存在に気付いてですよ、「おっかあがおめえに会いたがってる」から一言、二言、三言で、会場みんな泣いてるんですよ。おかしいですよ落語ってやつは。
噺家っていうのは、一人でしゃべっているだけで、客の感情のタガを外せるんですね。スーパーリラックス状態ですよ。無防備、全部受け入れちゃう。いや本当に名人芸を見せて頂きました。
扇遊師匠にとっては30分の妾馬なんて序の口かもしれませんが、しっかり堪能し、感動させて頂きました。来月のシブラクも時間を見繕って参戦します。ありがとうございました。
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渋谷区円山町はユーロスペースという小屋で、毎月だいたい2週目あたり金曜日から火曜日までの5日間、一日2回公演で落語の席がございます。この度は4月15日(土)の一回目(14:00〜16:00)の「渋谷らくご」を鑑賞致しました。料金は大人2500円です。
一人30分の席を四人が演って二時間ぴったり。立地も渋谷とあって、噺家さんたちも分かりやすいネタで入ってくださるので気軽に手軽に楽しめる落語です。
今回の演者とネタは
柳家緑君 『くしゃみ講釈』
立川吉笑 『狸の恩返しすぎ』
柳家緑太 『星野屋』
入船亭扇遊『妾馬』
実は落語を生で聴くのはたぶん2回目。しかも今回の噺家さんたちは映像でも見たことがない初見のみなさん。それでも楽しめるから落語はすごい。大したことは書けませんが、思ったことをすこし書きます。
柳家緑君さんはトップバッターでなかなか空気が掴めないご様子。まくらのウケもあまり良くなく、ネタの中で徐々に客を引き込んでいった感じ。序盤の与太郎のバカさの件でもう少し笑いが欲しいところでしょうか。
立川吉笑さんはまくらからドカンドカンと笑いが来ました。おそらく鉄板の「立川流一門ネタ」が見事にハマって、ネタ本編より笑いました。入門一ヶ月での談笑師匠との会食の件は臨場感たっぷりに緊迫感が伝わってきて、会場中が盛り上がっていました。ただその分、ネタをもっと大事に演じて欲しかったなと思うところです。
柳家緑太さんは雰囲気がガラッと変わってしっとりと星野屋の妾を演じます。人物のバリエーションはとても楽しめましたが、ところどころで噛んでしまったのが惜しい。
そこへ持ってきてトリを務めた真打ち入船亭扇遊師匠。圧巻とはこのこと。まくらから客の空気を全部持ってきて、ネタに入れば江戸っ子訛りの八五郎が捲し立てる捲し立てる。なんて気持ちのいい落語だろうと思いました。町人、武士、殿様とそれぞれに言葉も身分も雰囲気も違う役柄を完璧に演じ分けていて、感情の表現が丁寧で深い。
扇遊師匠はまくらで「最近の言葉が分からない、何でも略すのについて行けない」という話をしました。実はこれが本編にも効いていて、八五郎が町人言葉で武家屋敷に参ると、お互いに言ってることが通じないという事が起こります。現代では言葉の世代間ギャップですが、江戸時代は身分間の格差、いやむしろ身分の棲み分けとして意図的に言葉を分けていたんですね。ただ、もちろんそれは言葉が通じなかったというわけではありません。現に落語のネタとして江戸の庶民はそれを笑っていたわけですからね。
さて、ネタの方は武家言葉と町人言葉の違いから来る丁々発止の掛け合いの妙で、途中から笑いっぱなし…、だったはずが、いつの間にか泣いてるんですよ、信じられます? 八五郎が酒飲んで適当にくっちゃべってるところで、いきなり妹の存在に気付いてですよ、「おっかあがおめえに会いたがってる」から一言、二言、三言で、会場みんな泣いてるんですよ。おかしいですよ落語ってやつは。
噺家っていうのは、一人でしゃべっているだけで、客の感情のタガを外せるんですね。スーパーリラックス状態ですよ。無防備、全部受け入れちゃう。いや本当に名人芸を見せて頂きました。
扇遊師匠にとっては30分の妾馬なんて序の口かもしれませんが、しっかり堪能し、感動させて頂きました。来月のシブラクも時間を見繕って参戦します。ありがとうございました。
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