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映画「この世界の片隅に」半年遅れの初見レビュー [アート]

 映画「この世界の片隅に」を観てきました。公開からもう半年ほど経っていますが初見です。いつか観なければいけないと思いながら、まだやってるからいいかとズルズル日が経ってしまい、昨日ようやく観ました。結果、一度も行ったことのない蒲田の映画館で観るというオマケ付きです。

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 今更ネタバレもありませんが、漫画原作で、内容は戦前・戦中の広島と呉を描いています。主人公はちょっとおっとりしたごく普通の女性すずさん。この物語は、戦争の中に生きた、ごく普通の人々の生活を丁寧に描いた作品です。



 私たちはあの戦争の結果を知っているわけで、広島に原爆が落ちたという事実も、その凄惨な影響も既に知っている中であの戦争を観てしまうので、どうしてもそういう見方が先に立ってしまうと思うんです。でも、この映画はむしろ、誰もそんなことになるとは思っていなかった、自分たちはただ日々の生活を守っていくことしか考えていなかった人たちの物語に意識的に焦点を当てている物語でした。


 戦前の暮らしがまずあって、戦争に向かって物資が乏しくなって、それでも笑って生きていく。それをコミカルな要素を強く取り入れて描いていました。


 ただ同時に、戦争そのものが日常の一部になっていくことの怖さもあります。空襲警報が鳴っても次第に危機の意識が薄れていく。どこそこの息子が兵隊に行った、誰々が負傷した、あそこの子が骨になって帰ってきた。その生活に慣れていってしまう。それをすずさんは「ゆがんでる」と表現します。


 原爆投下の描写もまたすごかった。平穏に見える日常の中に一瞬の光の明滅。呉の住民ですら、あそこでなにが起こったのかわからない。でももう私はそのシーンで泣いているんだけども、物語の中ではまだわかってない。ここに不思議なリアリティがありました。


 やっぱり観て良かったと思っています。シリアスすぎず、お涙ちょうだいでもない、戦争映画の新定番になるんじゃないかと思います。探せばまだまだどこかでやっています。未見の人はぜひ一度、映画館で観てみてください。


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